ブックカバーと聞いてすぐに思い浮かぶのは、本屋さんで文庫や漫画を購入した時に必ず聞かれる「カバーはお掛けしますか?」ではないでしょうか。単純に、本が汚れないためだけにカバーを掛けるのでしょうか?
今回は、プレゼント前の心得として、ブックカバーにまつわる歴史や人の心理についてお伝えします。
ブックカバーの歴史
ブックカバーの発祥は大正時代の日本
もともとブックカバーは、大正時代の古本屋さんが書籍を包装紙で包んだことが始まりだと言われています。
当時は「書皮(しょひ)」という名前で呼ばれ、書店名が印字された包装紙を使い、店の宣伝広告としての役割が大きかったようです。また、カバーをつけることによって、購入済みという証明にもなりました。
古本にカバーをつける文化は全国に広まり、次第にデザインや紙にこだわるようになりました。書店の宣伝はもとより、1冊1冊の書籍に個性を価値づける風潮が生まれたのです。現代でも、全国の書店のブックカバーを集める愛好家は少なくありません。
ブックカバーをつける心理
◆本を愛する心から
人がブックカバーを使う理由として、大多数の人が考えていることは「本が汚れないため」ではないでしょうか?うっかりコーヒーの染みがついてしまったり、何度も読んでいる本の表紙には手垢がついてしまったり。その他にも日焼けから本を守る効果もあります。お気に入りの一冊あればなおさら、本の顔である表紙を予期せぬ汚れから守りたいものです。
◆日本人特有!?読み手の心も守る
こちらは日本人特有の心理かもしれません。恥ずかしい本を読んでいるわけではないけれど、自分が読んでいる本を他者に知られたくないと考える人は多いようです。
本は自分の嗜好や思想と直結するものであり、電車やカフェで本のタイトルを見知らぬ人に見られていては落ち着いて読書ができません。ブックカバーは、本だけでなく読み手の心も包んで守る役割があるのかもしれません。
◆大切な一冊に個性を持たせたいから
汚したくない・何を読んでいるのか知られたくない、という受動的な理由の他にも「本に個性を持たせてアピールしたい」という能動的な理由でブックカバーをつけるという心理もあります。
書店で会計の際に貰える無料のカバーの他にも、革製のものやビニール製、布製のものなど様々なブックカバーが市販されています。お気に入りの本に、お気に入りのカバーをつけて持ち歩くことは、ファッションで個性を表現したいと思う気持ちに近しいものです。
ブックカバーをプレゼント
家の中、通勤時間、静かなカフェ、図書館…。読書のスタイルは自在に選択することが可能です。お気に入りの場所で、お気に入りの本を読む時のお供として、ブックカバーを使ってみてはいかがでしょうか?
ブックカバーをつけなくても、読書をすることはできます。しかし、ブックカバーをつけることによって今の読書の時間がきっと今より上質なものになりますよ。