すごく有名だけど、聞かれると意外と詳しく知らない牛革について説明します。
牛革とは
牛革とは、字のとおり牛の皮革です。
牛革は英語でカウレザー(cow leather)と書きます。cowは「雌牛」または「乳牛」を意味する言葉です。食肉として消費された雌牛の皮を使うので、生産量は常に安定しており、革製品のなかで最もよく使われています。
牛革の特徴
私たちにとって最も身近な革製品である牛革。
牛革は流通が多く、バッグや財布、キーケースなどの小物、靴、インテリア用品などさまざまな用途で使われています。その特徴を見ていきましょう。
- 耐久性がある
牛革は非常に丈夫です。皮の表面が平たく、皮膚の繊維組織が均一に整っています。
そのため強度や耐久性があって加工がしやすく、さまざまな製品に使いやすいのが利点です。 - 質感の変化
使い込む年数によって、色あいや質感が変わってくる楽しみがあります。
だんだんと牛革にオイルや手垢などが染み込み、見た目が変化していくのです。
変化が表れやすいため飽きがこず長く楽しめます。牛革は時が経つにつれ、オンリーワンのアイテムになる魅力があるのです。 - 水濡れに注意
牛革だけでなく、本革製品は水に弱いもの。濡れたまま放置すると水あとが残ったり、変色することも。
防水スプレーをするなど対策をしましょう。
牛革の種類
牛革は種類と名称がたくさんあります。
ここでは8種類の牛革の名称と、その特徴を説明していきます。
1.ハラコ
ハラコは、漢字で「腹子」と書きます。早産や死産した子牛からできた牛革をハラコといいます。ハラコの皮はやわらかく短い毛で覆われているのが特徴です。
生産量は極めて少なく、皮として採れる部分はごくわずか。貴重な高級素材なため、市場でハラコとして売られているものは実はポニーであることも多くなっています。
2.カーフスキン
カーフスキンとは、生後6カ月以内の子牛で、非常にきめ細かくすべすべとした質感が特徴。
牛革のなかでも最も高品質・高級と言われており、希少価値の高いものです。子牛のため柔らかく薄く、傷がつきやすい繊細さを持っています。
3.ヘアカーフ
ヘアカーフとは、カーフスキンのなかでもとくに上質で高級なもの。ヘア=毛がついた状態の牛革です。
生後6カ月以内の子牛の皮を使うので数が少なく、あまり市場に出回りません。しっとりとなめらかな毛並みは、子牛ならではの質感です。
4.キップスキン
キップスキンは、生後6カ月から2年目くらいの牛の皮です。
キップとは「小さな獣の皮」の意味。まだ若い子牛なのでキメが細かくなめらか、厚みはあまりありません。カーフスキンの次に上質とされている牛革ですが、供給量が安定しているため、有名ハイブランド製品にもよく使われています。
5.ステアハイド
生後3~6カ月のときに去勢して、2年以上経った雄の成牛の牛革です。
食用として育てられるため供給量が多く、最も一般的な牛革です。革の厚みが均一で面積も大きく、強度も耐久性もあるよいことづくめの本革素材で、バッグやコインケース、名刺入れ、ジャケットなどのさまざまな革製品で使われています。
6.カウハイド
カウハイドとは、出産を経験した生後2年以上の雌牛の牛革です。丈夫でありながらやわらかさがあるため、こちらも人気の高い本革です。
子牛の本革よりは強く、成牛のオスの本革よりは薄いので、両者の中間的な役割で使われています。
7.ブルハイド
ブルハイドは、生後3年以上の去勢されていない雄牛の牛革を指します。
ブルハイドのブルは「雄牛」のこと。厚くて繊維が太く、固めのワイルドな革質が特徴です。その強さを活かして、靴底や工業用ベルトなどに使用されています。
去勢されていない雄牛は気性が荒く、雄同士で争った名残で、本革の表面に傷がついている場合があります。
8.バッファローレザー
バッファローは沼地や川などの水辺に生息しているため、牛革では珍しく水濡れに強い特徴があります。
また、油分を多く含むため、ほかの牛革に比べてさらに深い経年変化を楽しめます。
牛革のランク
次に、牛革のランクを生産地と種類のふたつに分けて見ていきましょう。
生産地の面では、イタリア、フランスなどヨーロッパ産の牛革が最も上質と言われています。品質が高く、多くの有名高級ブランドの製品に使われているのもヨーロッパ産です。
牛革の種類の面では、カーフスキンが最も上質な素材と言われています。大人の牛革と比較してキメが細かく柔らかく、軽く、ハラコよりも丈夫。すべての皮革素材のなかでもとくに上質で希少価値が高く、非常に手に入りにくい牛革です。
世界の有名高級ブランドでも使用されています。
これらの最上質なカーフスキンのなかでもヘアカーフが最も希少価値が高いとされています。
ハラコとして出回っている、単に毛がついただけの牛革や馬革とは別格で、ずっと触っていたくなるようななめらかな手触りの上質な毛をそなえています。
牛革の生産地とその特徴
牛革には、アメリカやオーストラリア、カナダ、イタリアなど海外で生産されるものと日本製のものがあります。国内で流通している牛革は、約8割が北米を中心とした海外製品です。
これは、北米で牛肉を食べる量が多い食文化が表れたもの。食用の牛の革を使用することで流通量を保ち、ロスを減らしているのですね。
日本でも牛革は昔から使われていましたが、地生(じなま)と呼ばれる国内生産の牛革の生産量はほんの少ししかありません。しかし管理状態がよいことから、品質が高い本革として人気があります。
代表的なのは姫路レザーや栃木レザーです。とくに、姫路のある播磨地方は1000年以上の革産業の歴史があるといわれており、国内における革製品の生産量も日本一を誇っています。
日本産の革製品はステッチ(縫い目)が美しく、本革の断面をきれいに磨いて処理しているなど、きめ細やかな配慮がなされているのが特徴です。レザーにも世界三大レザーと呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか。そのうち2種類は牛革を使用しています。以下に世界的に有名なレザーをご紹介します。
ブライドルレザー
ブライドルレザーは、イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法。ブライドルとは馬の頭頂部などにつける馬具の意味で、昔からイギリスにて騎手や貴族のために作られていました。乗馬でも安心の頑丈さと美しい光沢が特徴です。
カウハイドやステアハイドを使用し、本革にロウを何度も重ね塗り、繊維を引き締めることで丈夫にしています。表面に白く浮き出ているのはロウで「ブルーム」と呼ばれ、ブライドルレザーの証です。使用するうちにブルームが取れていき、美しい光沢が表れる、職人技がひかる極上レザーです。
イタリアンレザー
イタリアンレザーの特徴はなめし(=動物の皮は腐敗しやすいので、不要なたんぱく質や脂肪を除去し、耐久性・耐熱性・柔軟性をもたせる加工をすること)の方法です。「ベジタブルタンニンなめし」という伝統的ななめし技法であり、そのなかでも主に採用されているのが「バケッタ製法」。
バケッタ製法ではタンニンでなめしたあとに多大な時間をかけて本革の芯まで油を染み込ませます。そうしてできたしっとりとした手触りと美しい艶が、人々を魅了しています。
有名高級ブランドの革のバッグや革財布、キーケースなど革小物の生産国をみると、ほとんどがイタリア産。なかでもイタリアのトスカーナ州は、昔から本革産業が盛んでした。フランスやアメリカなど世界中の高級ブランドの本革製アイテムを、下請けで製造している工房や工場が沢山あり、長い歴史と伝統が受け継がれています。
JOGGOの本革製品の特徴
JOGGOの本革製品の特徴、おすすめポイントをご紹介します。
- 14色から自分で選べる、鮮やかなオリジナルカラー
- なめらかな手触りの国産、姫路レザー
- コンビなめしによる加工製法
- サスティナブルなものづくり
14色から自分で選べる、鮮やかなオリジナルカラー
JOGGOでは、革ごとにベーシックラインとハイエンドラインに分類しています。
ベーシックラインの製品ではステアハイドを使用し、この牛革に合わせてJOGGOだけのオリジナルカラーをタンナーと共に14色つくりあげました。カラーは顔料染め(レザーの表面に色を塗ること)のため、本革の耐久性が上がり、エイジングしにくいのが特徴。レザーウォレットなどは定期的にメンテナンスすれば、5~10年は鮮やかでおしゃれなカラーを色あせずに楽しめます。
日本国産レザーアイテムは、ブラウンかブラックが主流ですが、JOGGOのベーシックラインでは豊富なカラーからすべてのアイテムの配色を自分でカスタマイズして、オーダーメイドできるのです。
使い勝手のよい長財布などはとくに人気。人と被らない、あなただけのお気に入りアイテムを作れるのはもちろん、大切な家族や恋人、友人をイメージしたプレゼントにもぴったりです。
なめらかな手触りの国産、姫路レザー
JOGGOのハイエンドライン、ENISHIシリーズの革小物には、日本産の牛革、オイルスムースを使用しています。
オイルスムースとは、本革づくり1000年以上の歴史がある姫路で生まれたレザー。本革にオイルを染み込ませる技法によって、しっとりとしたなめらかな手触りに仕上げています。
また、ベーシックラインとは異なる染料染め(繊維に染料をしみ込ませ色を付ける)の使用により、発色がよく透明感があるのも特徴のひとつ。上品な艶・色味・質感を叶えてくれます。
ENISHIシリーズでは、日常的に使うレザーウォレットやスマホケース、名刺入れなどを展開。オイルスムースの上質な質感を堪能できます。メンズ・レディース問わず、ハンドメイドの革製品をギフトに活用するのもおすすめです。
このような国産本革を、日本の職人が一つひとつ丁寧に制作しています。すべて国産でありながらも、JOGGOではたゆまぬ企業努力でお求めになりやすい価格を維持しています。
コンビなめしによる加工製法
ENISHIシリーズの革小物には、タンニン(植物性)とクロム(化学薬品)を組み合わせたコンビなめしによる加工法を使用しています。タンニンが紫外線や空気にふれ、酸化することで色が変化します。また手の油分が浸透していくと、自然な艶も生まれるのが特徴です。
このように、コンビなめしでは発色のよさと経年変化の両方をあわせ持つ魅力があります。デリケートなので定期的なメンテナンスが必要ですが、高級感のある自然なムラやナチュラルな牛革の表情をお楽しみいただける、本革好きも満足な仕上がりです。
サスティナブルなものづくり
JOGGOの工場があるバングラデシュでは、年に一度イードと呼ばれる、神に牛をささげるイスラム教の祝祭があり、一年で一番大事な行事とされています。
イードの時は町中いたるところで牛を解体し、食用に供します。、食後には毎年大量の牛革が発生。JOGGOの製品は、すべてその食用の肉を採ったあとの本革のみを使用します。
現地の資源を無駄なく有効活用し、エシカルかつサスティナブルなものづくりを実現しているのです。