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あなたとつながる つながるコラム 用語集

【初心者向け】本革をエイジングする

「エイジング」とは、「経時(時間が経過すること)」という意味があり、時間と共に起こる変化のことを指します。

お肉を熟成させる「エイジングビーフ」や、美容業界での年齢に応じた肌のお手入れ「エイジングケア」など、さまざまな場面で使用される言葉です。

このコラムでは、本革製品における「エイジング」の仕組みと魅力を、わかりやすく解説していきます。

エイジング(経年変化)とは

本革製品の「エイジング」とは、製品を使用するに従って、レザー自体や全体の雰囲気が変化することです。

当然どんなレザーでも時間と共に変化はありますが、一般的に「エイジング」は色味、艶、形の変化を楽しむという、ポジティブな意味合いで使用されます。

新品の革製品や革小物を購入する時、「これからどんなエイジングをしていくんだろう」と想像し、世界に一つだけのアイテムを育てることが、本革製品の醍醐味ともいえるでしょう。

エイジングされた革

エイジング(経年変化)する本革とは

実は、すべてのレザーが美しくエイジングするわけではなく、エイジングを楽しめる種類と、そうでないものがあります。

レザーは「鞣し(なめし)」と「染め」という重要な工程を経てつくられており、これらはエイジングと深い関係があります。

鞣し(なめし)とエイジング

「鞣し(なめし)」とは、動物の皮から、腐敗の原因となるたんぱく質や脂肪を取り除き、薬品をつかって柔軟性・耐久性をもたせる加工技術のことです。
なめし(鞣し)とはより

鞣しには、植物タンニンを使用としたタンニン鞣しと、クロム化合物を使用したクロム鞣しの2種類があります。

タンニンとは植物の「渋」を指し、自然由来のタンニンで鞣されたレザーをナチュラルレザーと呼ぶ場合もあります。

タンニンは空気に触れると酸化する性質があり、タンニン鞣しでつくられたレザーは、月日と共に深い色へと変化します。そのため、タンニン鞣しはエイジングに適した鞣し方法です。

実際、クロムレザーは短期間で大量に柔らかな本革を生産できるメリットの多い鞣し方法ですが、クロムは耐熱性に優れているため、表情の変化が乏しくエイジングに向いていません。

染めとエイジング

みなさんが目にする本革製品にはほとんど色がついており、その着色方法には、染料仕上げ顔料仕上げがあります。

染料仕上げは、染料を溶かした水に革を漬け、繊維の間に染み込んで染める手法。革の内側から色が入るため、自然な表情が特徴です。

表面には動物本来のシボ・血筋・色むら・虫刺されといった個性が残され、いわゆる「すっぴん」状態なので、油分などが染みこみやすく表情が変化します。染料仕上げは、エイジングに向いています。

一方の顔料仕上げは、お化粧のような感じで、革の表面に水分・油分に強い顔料を乗せていく手法です。

発色がよく明るい色の革製品に向いており、お手入れも少なく済む着色方法ですが、油分が革自体に染み込むことはないため、個性あるエイジングは期待できません。

総合すると、タンニン鞣しの染料仕上げで生産されたレザーがエイジングに最適、ということになります。

エイジングに向いている本革の種類としては、以下のような種類があります。

  • ヌメ革
  • ブライドルレザー
  • オイルレザー
  • コードバン
  • ブッテーロ(ワルピエ社)
  • ミネルバ(ダラッシィ・カルロ社)
  • プエブロ(バダラッシ・カルロ社)

エイジング(経年変化)の種類

エイジイングされた財布

それでは、革を育てる楽しみ「エイジング」にはどんな種類があるのでしょうか。

・色味

本革は、人間の皮膚と同じように、乾燥したらシワになったり、日に焼けたりします。

バッグや革小物など使用している人の汗や脂に反応して色が濃くなり、先ほど書いたように、タンニンが空気によって酸化することで色がより濃く変化するのが特徴です。

明るい色の変化は顕著で、ヌメ革と呼ばれる、染色をしていないタンニン鞣し本来の色(淡いベージュ)の本革は、色の変化が激しく、飴色、キャメルと呼ばれるようになるまで茶色くなります。

・艶(ツヤ)

革は、油分や水分を吸収する性質をもちます。

色味への影響に加え、染み込んだオイルが徐々に表面へ染み出し、それによって本革特有の美しい「艶(ツヤ)」となって現れます。

例えば、メンズのレザーウォレットやキーケースなどの革小物をバックポケットに入れて使用し摩擦によって現れる艶や、オイルやクリームで手入れをして磨くことで出る艶もあります。

また、黒いレザーはあまり色味の変化を楽しむことはできませんが、艶やかに光る黒いレザーにはほかの色には表現できない美しさがあります。

艶が出ていることは、表面の凹凸が摩擦によってフラットになっている証拠。オイルの質感と合わさって、吸い付くような手触りとなるのです。

・形

レザーの種類、鞣し方法にもよりますが、本革は基本的に硬く、張りがあります。

本革は繊維質でできているので、時間がたつと繊維が柔らかく、また圧縮されて少しスリムになります。

最初は硬く角ばっていた革の長財布やコインケース、パスケースなども、だんだんと角が取れて丸くなります。ボタンやハトメの跡が表に出てきたり、自分の手に馴染むたった一つ製品を育てるのも、エイジングの楽しみ方の1つです。

エイジング(経年変化)の色の変化とは

JOGGOのミッドナイトネイビー 上:未使用 下:2年使用

美しくエイジング(経年変化)させるには?

本革は、どんなに高品質のものであっても、種類によってはメンテナンスを欠かせません。定期的に手入れを行い、保管する場合には型崩れ・シミ・カビに気をつかうことによって、美しいエイジングへとつながります。

新品の場合・使いはじめる前に

革は、油分や水分を吸収する性質を持ちます。

新品の製品は、まだ表面に油分の膜ができていないため、シミが付きやすい状態。

最初に本革専用のオイルやクリームを塗りこむことで、薄い保護膜をつくりシミからレザーを守る役割を果たします。

また、水は本革製品の大敵。雨、汗などの水分は大敵なので、防水スプレーなどで予防をするといいでしょう。頻繁に使うスマホケースやキーケースなども注意して扱ってください。

※レザーの種類によってはクリームを避けたほうがよい場合や、防水スプレーがシミの原因になる場合がありますのでご注意ください。

ヌメ革の場合

ナチュラルレザーであるヌメ革は、一般的に使用する前に「日光浴」をさせるといいとされています。

<ヌメ革、日光浴のメリット>

1、日光に当てることで内部のオイルが染み出してきて、保護膜を作る

2、最初に全体的に日焼けを作ることで、後で頻繁に触る部分と触らない部分の色やツヤの差がない状態にできる

3、エイジングを早められる

日光浴は1カ月程かけて、じっくりと行います。直射日光ではなく、日差しが少し差し込む程度の窓際に製品を置きます。人間の肌と一緒で、日焼けをすると乾燥してしまうので、日光浴が終了したらオイルやクリームで保湿をしてあげましょう。

※防水スプレーは、紫外線を防ぐ成分が入っている種類があるため、エイジングに影響する場合があります。とくにヌメ革はお好みによって使用するかどうかをご判断ください。

メンテナンス・永く使うために

本革のメンテナンスで一番大切なのが、ブラッシングです。

毎日ではなくても、定期的にブラッシングをしてほこりを落とし、革のオイルを引き出してあげることで自然なエイジングが楽しめます。

革に付着する汚れ・ほこりは、見た目が汚いこともありますが、革の油分を吸着して乾燥を促してしまいます。わざわざクリームを使用しなくても、ブラッシングをするだけ十分に艶を引き出せるのです。

革用のブラシには、馬毛・豚毛・化繊毛・山羊毛などがあり用途によって使い分けられます。

基本は、馬毛のブラシで軽くお手入れをするだけで十分です。

早くエイジング(経年変化)させるには?

レザー好きの方であれば、名刺入れやブックカバーなど本革の新品商品を早くエイジングをさせ、格好よく持ち歩きたいという方もいらっしゃるでしょう。ここでは、どうしたら早くエイジングさせられるかを説明します。

1. 革の種類

タンニン鞣しの染料仕上げで生産されたレザーがエイジングに最適なのはお伝えしましたが、そのなかでもどんなレザーを選ぶほうがいいのでしょうか?

おススメはオイルレザー。

オイルレザーは、本革にオイルをたっぷり染み込ませているため、よりしなやかに、しっとりとした質感が特徴です。オイルレザーを選ぶことで、使っているだけでオイルがしみだし、上品な艶を与えてくれます。

ヌメ革などは逆にオイルが入っていないため、染み出してくるオイルがなく、少し艶がでるのに時間がかかる傾向にあります。

ただクリームを薄く塗り日光浴をさせ、ムラのないキレイな日焼けをさせて土台を作ることが、エイジングへの近道になります。

2. 使用頻度

革製品は、手の油分などを吸収してエイジングするため、使用頻度が高いほうがエイジングが早く進みます。そのため、革財布やレザーのキーケースはとくにブラッシングや、クリームなどを塗らなくても艶が出てくるでしょう。

靴やカバンなどは、毎日使用に休息日を設けて、ブラッシングを丁寧に行うほうがきれいに早くエイジングする場合もあります。使用頻度はアイテムによって使い分けましょう。

3.クリーム・オイル

レザーの色を変化させる1つの手段が、クリームやオイルを塗ることです。

デリケートクリームや、ニートフットオイル(Neatfood Oil)、ラナパーなど、レザーの種類や状態によって使用するものを変えます。

たとえば、ニートフットオイルは牛脚油とも呼ばれ、その名の通り牛から取ったオイル。とくに牛革に使用すると、同じ動物の成分なので浸透性が高く、栄養が全体に行き渡ります。

クリームやオイルを塗る際には、本当に少量をウエスに取り、素早く均一に、薄く塗りましょう。そして、余分な油分はすぐに乾いた布でふき取ることも重要です。

またレザーの表面が乾燥していなければ、無理をしてクリームやオイルを塗りこむ必要はありませんので、塗りすぎに注意しましょう。

エイジング(経年変化)に失敗したときの対処法

エイジングしたきれいなレザーを楽しみにしていたのに、失敗してしまったという場合はどうでしょうか。

主な失敗としては、以下が挙げられます。

  • クリームやオイルを塗りすぎてシミになった
  • 汗や雨で染みになった
  • 乾燥して、ひび割れた
  • カビが生えた

革製品は一度ついてしまったシミ・ひび・カビは、オイルなどで目立たせなくすることはできますが、完全に取り除くことは困難です。

そのため、日頃からのメンテナンスが大切といえます。

汚くエイジングしてしまった革は再生が難しいので、プロにお任せして修理が高額になってしまう場合も。

ぜひエイジングとメンテナンスについて正しい知識を身に付けて、素敵なエイジングを楽しみましょう。

JOGGOの本革製品

ここまで、革製品のエイジングの魅力を紹介してきました。

エイジングは、既製品を自分だけのアイテムに育てられるレザーの魅力です。

もしアイテムを自分が好きな色の組み合わせでデザインできるとしたら、更に愛着がわくと思いませんか?

実は、そんな願いをかなえてくれるのが、カスタマイズブランドのJOGGOです。

ここから、JOGGOの魅力をお伝えしますので、ぜひのぞいていってください。

魅力1 豊富な色、革のオプション

JOGGO製品の革製品には2種類のレザーを用意しています。

鮮やかな色を楽しんでもらうための顔料仕上げのオリジナルレザーと、エイジングを楽しんでもらうためのオイルスムースレザーです。

自分用はもちろん、メンズ・レディースを問わずプレゼントにも最適。

相手の好きな色や、ラッキーカラーを思い浮かべながらデザインするのも楽しいですよ。

  1. オリジナルレザー
JOGGOのオリジナルレザー
JOGGOのオリジナルレザー

JOGGOのオリジナルレザーは、なんと14色。商品は42種類からお選びいただき、オーダーメイドを承ります。

顔料仕上げをしているので、明るい色が美しく、比較的汚れ・キズに強いのが特徴です。自分の個性を、鮮やかな色で表現したい方にはピッタリのラインでしょう。

ただ、顔料仕上げのため、エイジングを楽しむのには少し向いていないレザーといえるかもしれません。

  1. オイルスムースレザー

JOGGOのハイエンドラインENISHIシリーズは、国内姫路産のオイルスムースレザーを使用しています。

オイルスムースレザーの魅力は、何といってもエイジングです。

こちらも14色用意していますので、淡い色やヌメ革で色の変化をどんどん楽しんだり、濃い色を選んで美しい艶を作り出すのも、すべてあなた次第です。

オイルスムースレザーは、キズや汚れに注意する必要があるので、メンテナンスを怠らず、世界に1つだけの、ハンドメイドの本革アイテムを育ててみてください。

魅力2 名入れが無料でできる

JOGGOでは、12文字まで名入れができます。

オーダーメイドで好きな組み合わせを選んで、名入れもできるとなれば、さらに特別感が増すことは間違いありません。

名前やイニシャル、記念日など、革財布やレザーキーケースにお揃いで名入れができるのも素敵です。大切な方へのギフトにも最適です。

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【3分で゙解説】天然皮革(本革)とは?

革に興味がある人なら、一度は天然皮革という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ですが、合成皮革と一体どう違うのか、ご存知ですか?

この記事では、天然皮革についての特徴や合成皮革との見分け方、お手入れ方法について詳しく解説します。

天然皮革とは

天然皮革は、「てんねんひかく」と読みます。
天然皮革の説明をする前に、まずは皮と皮革の違いについて説明しましょう。

  • 皮……原料となる動物の「皮」の状態
  • 皮革……「皮」に樹液や薬品を用いて腐敗防止などの効果をもたせる鞣し(なめし)を行ったもの

天然皮革とは、牛や馬、豚など動物の「皮」に鞣し(なめし)などの工程を加えたものを指すのです。

なめし工場の様子

天然皮革と本革は同義で、同じ本革を指しています。
一般的には天然皮革よりも本革の呼び方のほうが馴染みがありますね。
天然皮革と一言で言っても、牛革・馬革・豚革・山羊革・ワニ革など、さまざまな種類があります。実用的な皮革に加工するには、コラーゲン繊維が十分に絡んでおり、一定の厚みや硬さの本革が必要です。
牛革1つをとっても、その種類はさまざま。以下に代表的なものを挙げます。

ステアハイド生後2年を経過したオスの牛革。厚みが均等なため、革小物や革財布、鞄、バッグなど、さまざまな用途に使用される。主に食用として飼育されているため供給が安定している。牛革のなかで最も一般的。
カーフスキン牛革のなかで一番若い生後6カ月程度の子どもの牛革。すべての革素材のなかでも特に上質で希少価値が高い。
ハラコ胎児~生後間もない子牛の本革。短い毛の付いた素材で独自の風合いがある。高級素材であるため、通常販売されているものはポニーなどをハラコと称して販売しているケースもある。
キップスキン生後1年以内の子どもの牛革。カーフスキンよりも供給量が安定しているので、高級ブランドで使用されやすい。

牛革といっても、実にさまざまな種類があります。皆さんはどの革が気になりましたか?

天然皮革と合成皮革の見分け方

革製品には、天然皮革と合成皮革使ったものがあります。合成皮革は人工皮革(フェイクレザー)と呼ばれることもあります。

皆さんは、天然皮革と合成皮革の見分け方はご存知でしょうか。実際に手にとれば違いが分かるかもしれませんが、ネットショップで購入しようと考えた場合は、どのような情報で判断すればいいのか、迷ってしまいます。

そのような時に確認したいのは、製品についての素材の情報欄です。天然皮革の場合は、タグに「牛革」「馬革」という文字やレザーマークなどの表示がありますが、合成皮革の場合は「ナイロン」「ポリ塩化ビニル」「ポリウレタン」と表示されています。

では、実際に商品を手にとって見られる場合は、それぞれの皮革にどのような特徴があるのでしょうか。

次に天然皮革と合成皮革の見分け方のポイントを3つご紹介しましょう。

1. 天然皮革には個体差がある

天然皮革は、同じ加工をしても必ず個体差が生じます。生きていた動物の毛穴が見えるのに対し、合成皮革には毛穴がありません。

天然皮革は、同じ種類の動物から加工されたものでも、血スジ(血管の痕)やシワ・傷・虫刺され痕など、一つひとつ全てが異なるのです。

合成皮革は、前述のとおり人工皮革・フェイクレザーとも呼ばれます。「皮革・レザー」と名前についていますが、革に似せて人工的な素材を用いて作られた、全くの別物です。

動物の革は一切使われておらず、ナイロンやポリエステルの生地の上に、ポリウレタンや塩化ビニルなどの合成樹脂をコーティングして作られます。
画一化して生産されているので、個体差は生じません。

2.匂い

天然皮革は、加工する際に使われるクロムやタンニンの匂いがしますが、合成皮革は無臭または油臭い匂いがします。

ただ、この違いは分かるようになるには時間がかかるかもしれません。

3.お手入れの必要性

天然皮革は、状況に応じてお手入れが必要になります。丁寧にお手入れを続ければ、長く使い続けられるのが特徴で、。
使う人に合わせて手触りなどが変化し、深い味わいが生まれます。

合成皮革はお手入れは簡単ですが、経年劣化する特徴があります。およそい2~3年が耐用年数です。また、天然素材ではないため土に還ることはなく、捨てる際に焼却が必要になります。

お手入れ不要などの記載がある場合は、合成皮革であると判断できます。


ここで少し、お手入れ方法について説明しましょう。

天然皮革が好きな方でも、お手入れ方法は意外と知らない方も多いのではないでしょうか? 

おすすめのお手入れ方法をご紹介します。

天然皮革をお手入れする際は、革専用オイルやレザークリームを使用しましょう。革小物であれば、2〜3カ月に1回程度のお手入れで十分長持ちします。

新品のレザーも意外と乾燥している場合があるので、購入されたその日にお手入れしておくことをおすすめします。

お手入れの手順

Step1.表面の汚れを落とす
はじめに本革の表面やステッチに入り込んだ汚れ(皮脂やほこりなど)を、馬毛ブラシなどのレザーケア用品で優しくブラッシングします。特にステッチや溝などに注意してブラッシングします。この時に砂などが残っていると、革に傷をつけてしまうので、注意が必要です。

Step2.汚れを落とす
革用のクレンジングウォーターなどを乾いた布に適量とり、円を描くように優しく拭きます。こすらずに「撫でる」感じでお手入れすると傷がつくのを防げます。ただ毎回使う必要はなく、革小物であればこのステップを省いてもかまいません。

梅雨の前や、皮脂がつきやすい夏の終わりなどにお手入れするとと本革に優しく、レザーアイテムを長持ちさせられるのでおすすめです。

Step3.クリームで栄養補給
クリームを使って革製品に栄養を補給します。本革の乾燥具合によって、革用クリームを塗る量が変わります。慣れてくると感覚的につかめてきますが、最初は米粒大をとり革(表革)に少しずつ落としましょう。塗り過ぎると本革が栄養過多になってしまい、カビやベトつきの原因になってしまうため、少量ずつ塗り込んでいくのがおすすめです。

Step4.仕上げ
馬毛ブラシなどで表面をブラッシングして、細かいシワや溝にすり込んでいきます。使ったレザークリームにもよりますが、徐々に艶が出てきます。この工程で付けすぎてしまったレザークリームを塗り広げ、少量であれば余ったクリームはブラシが吸い込みます。

Step1〜4までを何度か繰り返していくと、仕上げの工程で徐々にクリームを吸い込んだブラシができてきます。このブラシでのブラッシングのみで、簡単な汚れ落としと栄養補給ができるようになります。

防水スプレーについて

水濡れに弱い天然皮革。防水スプレーを使っていいのかなと、悩む場合もありますよね。

本革は、防水スプレーを使うと汚れ防止になるため、初めて使う前にケアしておくと安心です。ただ、革の表面をコーティングするので、本革の呼吸の妨げになってしまうことも。
メンテナンスオイルが浸透しにくくなったり、本革の表面が硬くなってひび割れの原因になったりする可能性があるので、多用しすぎないように気をつけましょう。

合わないスプレーは染みや色落ちの原因になるので、初めて使う時は目立たない部分で試してから使うにしてくださいね。

お手入れすると革製品の持ちもよくなり、ますます愛着もわいてくるので、ぜひお試しください。

お手入れグッズが気になった方はこちらから詳しくご覧いただけます。
JOGGO stock
https://stock.joggo.jp/items/42870955

天然皮革の特徴

天然皮革は、個体差のある動物の革が原料になっているため、同じ加工をしても個体差が生じます。
これが天然皮革の大きな特徴です。

天然皮革が積み上げられた画像

比べられることも多い天然皮革と合成皮革。それぞれのメリット・デメリットをまとめました。

【天然皮革】

メリット丁寧にお手入れをすれば長く使い続けられる
色合いや手触りなどが変化し、深い味わいが生まれる
丈夫で破れにくい
デメリット合成皮革よりも値段が高い
雨などの水濡れに弱い
合成皮革よりも重量感がある

【合成皮革】

メリット手入れがいらない、濡れたら布でふき取る
天然皮革よりもリーズナブル
雨などの水濡れに強い
軽い
デメリット経年劣化する
耐久性が低く破けやすい

天然皮革の個性

人の皮膚が一人ひとり違うように、動物の皮を加工した本革も1枚1枚違います。どれだけ丁寧に鞣し(なめし)加工を行っても、この個体差は埋められません。

天然皮革ならではの個性とはどういったものなのでしょうか。

・ バラキズ
動物が生きている時についた引っかき傷、虫刺され、怪我などが痕(あと)になって現れます。こうした傷は、原皮に傷跡として残ることも。それが加工したのちに革に残ったものを【バラキズ】といいます。

・ 血筋 
血管の痕がそのまま色濃く表面に現れた状態です。皮膚の薄い部位や、血管が体の表面近くに浮き出ている部位を使った皮革では、血筋(チスジ)がはっきりと出やすくなります。

・ シワ(トラ) 
表面に筋(スジ)のように入っているシワを指します。牛の首から肩にかけてのショルダーと呼ばれる部分では、何本もシワ(通称:トラ)が生まれることもあります。

ちなみに、「トラ」の部分は亀裂が入っているわけでも傷んでいるわけでもないので、革としての品質には問題ありません。むしろショルダー部分は、もともと激しく動いていた箇所なので、ほかの部位より丈夫になるとも言われています。

・ 色ムラ 
同じ1枚の本革でも部位によって繊維の密度や厚さが違うために、染めにムラが出ます。これも、天然皮革の個性です。

・ シボ
繊維の密度の違いでシボの大小があり、それぞれが個性的な表情を生みます。
※シボ:表面にちりめん状に細かく寄った不規則なシワ模様のこと。

・ ホクロ 
人間と同様に動物にもホクロがあり、その箇所は一体一体違います。黒い小さな点が見られます。

・ クラック 
縫製時にクラック(ひび割れ)が生じて、縞模様が革表面に現れる場合があります。

欧米では、こうした革の“個性”を十分に理解して、楽しまれる人が大変多いようです。
最近では日本でも、エコの観点から革特有の“個性”を生かした商品への理解が広がりを見せています。

もし購入した本革製品に上記のような“個性”を発見したら、合成皮革とはちがう「一点もの」として楽しみたいですね。

JOGGOの本革製品

  • 環境に配慮した製品づくり
  • 耐久性
  • 高品質で手ごろな価格
  1. 【環境に配慮した製品づくり】

JOGGO(ジョッゴ)で使用している本革は、バングラデシュで年に一度行われる祝祭 「イード」で食用後に余った牛革を使用しています。 国内工場でも食用の牛革のみを使用しています。

※イード:イスラム教最大の祝祭

シワや傷、ホクロなども天然皮革の個性として活かし、材料を無駄にしない観点からもそのまま使用しています。

  1. 【耐久性】

JOGGO(ジョッゴ)の本革は、先に記述した牛革の種類でいうと、革小物・革財布に適しているステアハイドを使用しています。

ステアハイドは生後2年を経過したオスの牛革で、出産数が多く、品質が安定しやすい点が有名です。また、革の表面が美しく仕上がりやすく、革の厚みや繊維密度も安定しているため、丈夫で耐久性に優れている特徴があります。

部位はアイテムにより異なりますが、メインのアイテムはショルダー(柔軟性)・ベンズ(強度・耐久性)・バット(厚みがあり丈夫)を多く使用しているので強い力がかかっても安心です。

また、なめし方法は植物タンニンなめしで耐久性が高く、顔料染仕上げなので劣化しにくく、長持ちする特徴があります。

【高品質で手ごろな価格】

 「想いをこめた一点ものだから、その素材には妥協したくない」

そんな想いから、JOGGO(ジョッゴ)の本革はタンナーとともに一から作り上げたオリジナルレザーを使用しています。 現地のタンナーと何度も連絡を取り合いながら色味を調整し、きれいに発色する仕上げを採用しました。

JOGGO(ジョッゴ)の本革製品は、ベーシックラインの長財布では16,200円、すべてが Made in Japanのハイエンドラインでも3万円前後と、ほかのブランドと比較しても低価格です。プレゼントとしても贈りやすいのではないでしょうか。

この低価格は、日本と現地工場があるバングラデシュ間の物価の違いによって実現されています。

 また、商品デザインはすべて、自社のプロダクトデザイナーが担当しています。 デザインから生産まで自社内で一貫して行う点も、低価格で販売できる大きなポイントです。

レザーウォレットやパスケース、名刺入れにキーケースなど、 本革のオーダーメイドアイテムを手に入れたいとお考えの際は、ぜひJOGGO(ジョッゴ)の革製品をご検討ください。

上質な素材で作られたJOGGOの本革アイテムは、どれもハンドメイドである点も特長。メンズ、レディース問わずギフトにも最適です。

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【徹底網羅】牛革の種類・ランク・種類別の見分け方

すごく有名だけど、聞かれると意外と詳しく知らない牛革について説明します。

牛革とは

牛革とは、字のとおり牛の皮革です。
牛革は英語でカウレザー(cow leather)と書きます。cowは「雌牛」または「乳牛」を意味する言葉です。食肉として消費された雌牛の皮を使うので、生産量は常に安定しており、革製品のなかで最もよく使われています。

牛革の特徴

私たちにとって最も身近な革製品である牛革。

牛革は流通が多く、バッグや財布、キーケースなどの小物、靴、インテリア用品などさまざまな用途で使われています。その特徴を見ていきましょう。

  1. 耐久性がある
    牛革は非常に丈夫です。皮の表面が平たく、皮膚の繊維組織が均一に整っています。
    そのため強度や耐久性があって加工がしやすく、さまざまな製品に使いやすいのが利点です。
  2. 質感の変化
    使い込む年数によって、色あいや質感が変わってくる楽しみがあります。
    だんだんと牛革にオイルや手垢などが染み込み、見た目が変化していくのです。
    変化が表れやすいため飽きがこず長く楽しめます。牛革は時が経つにつれ、オンリーワンのアイテムになる魅力があるのです。
  3. 水濡れに注意
    牛革だけでなく、本革製品は水に弱いもの。濡れたまま放置すると水あとが残ったり、変色することも。
    防水スプレーをするなど対策をしましょう。

牛革の種類

牛革は種類と名称がたくさんあります。
ここでは8種類の牛革の名称と、その特徴を説明していきます。

1.ハラコ

ハラコは、漢字で「腹子」と書きます。早産や死産した子牛からできた牛革をハラコといいます。ハラコの皮はやわらかく短い毛で覆われているのが特徴です。

生産量は極めて少なく、皮として採れる部分はごくわずか。貴重な高級素材なため、市場でハラコとして売られているものは実はポニーであることも多くなっています。

2.カーフスキン

カーフスキンとは、生後6カ月以内の子牛で、非常にきめ細かくすべすべとした質感が特徴。

牛革のなかでも最も高品質・高級と言われており、希少価値の高いものです。子牛のため柔らかく薄く、傷がつきやすい繊細さを持っています。

3.ヘアカーフ

ヘアカーフとは、カーフスキンのなかでもとくに上質で高級なもの。ヘア=毛がついた状態の牛革です。

生後6カ月以内の子牛の皮を使うので数が少なく、あまり市場に出回りません。しっとりとなめらかな毛並みは、子牛ならではの質感です。

4.キップスキン

キップスキンは、生後6カ月から2年目くらいの牛の皮です。

キップとは「小さな獣の皮」の意味。まだ若い子牛なのでキメが細かくなめらか、厚みはあまりありません。カーフスキンの次に上質とされている牛革ですが、供給量が安定しているため、有名ハイブランド製品にもよく使われています。

5.ステアハイド

生後3~6カ月のときに去勢して、2年以上経った雄の成牛の牛革です。

食用として育てられるため供給量が多く、最も一般的な牛革です。革の厚みが均一で面積も大きく、強度も耐久性もあるよいことづくめの本革素材で、バッグやコインケース、名刺入れ、ジャケットなどのさまざまな革製品で使われています。

6.カウハイド

カウハイドとは、出産を経験した生後2年以上の雌牛の牛革です。丈夫でありながらやわらかさがあるため、こちらも人気の高い本革です。

子牛の本革よりは強く、成牛のオスの本革よりは薄いので、両者の中間的な役割で使われています。

7.ブルハイド

ブルハイドは、生後3年以上の去勢されていない雄牛の牛革を指します。

ブルハイドのブルは「雄牛」のこと。厚くて繊維が太く、固めのワイルドな革質が特徴です。その強さを活かして、靴底や工業用ベルトなどに使用されています。

去勢されていない雄牛は気性が荒く、雄同士で争った名残で、本革の表面に傷がついている場合があります。

8.バッファローレザー

バッファローは沼地や川などの水辺に生息しているため、牛革では珍しく水濡れに強い特徴があります。

また、油分を多く含むため、ほかの牛革に比べてさらに深い経年変化を楽しめます。

牛革のランク

次に、牛革のランクを生産地と種類のふたつに分けて見ていきましょう。
生産地の面では、イタリア、フランスなどヨーロッパ産の牛革が最も上質と言われています。品質が高く、多くの有名高級ブランドの製品に使われているのもヨーロッパ産です。

牛革の種類の面では、カーフスキンが最も上質な素材と言われています。大人の牛革と比較してキメが細かく柔らかく、軽く、ハラコよりも丈夫。すべての皮革素材のなかでもとくに上質で希少価値が高く、非常に手に入りにくい牛革です。
世界の有名高級ブランドでも使用されています。

これらの最上質なカーフスキンのなかでもヘアカーフが最も希少価値が高いとされています。

ハラコとして出回っている、単に毛がついただけの牛革や馬革とは別格で、ずっと触っていたくなるようななめらかな手触りの上質な毛をそなえています。

牛革の生産地とその特徴

牛革には、アメリカやオーストラリア、カナダ、イタリアなど海外で生産されるものと日本製のものがあります。国内で流通している牛革は、約8割が北米を中心とした海外製品です。

これは、北米で牛肉を食べる量が多い食文化が表れたもの。食用の牛の革を使用することで流通量を保ち、ロスを減らしているのですね。

日本でも牛革は昔から使われていましたが、地生(じなま)と呼ばれる国内生産の牛革の生産量はほんの少ししかありません。しかし管理状態がよいことから、品質が高い本革として人気があります。

代表的なのは姫路レザーや栃木レザーです。とくに、姫路のある播磨地方は1000年以上の革産業の歴史があるといわれており、国内における革製品の生産量も日本一を誇っています。

日本産の革製品はステッチ(縫い目)が美しく、本革の断面をきれいに磨いて処理しているなど、きめ細やかな配慮がなされているのが特徴です。レザーにも世界三大レザーと呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか。そのうち2種類は牛革を使用しています。以下に世界的に有名なレザーをご紹介します。

ブライドルレザー
ブライドルレザーは、イギリスで1000年以上前から続く伝統的な製法。ブライドルとは馬の頭頂部などにつける馬具の意味で、昔からイギリスにて騎手や貴族のために作られていました。乗馬でも安心の頑丈さと美しい光沢が特徴です。

カウハイドやステアハイドを使用し、本革にロウを何度も重ね塗り、繊維を引き締めることで丈夫にしています。表面に白く浮き出ているのはロウで「ブルーム」と呼ばれ、ブライドルレザーの証です。使用するうちにブルームが取れていき、美しい光沢が表れる、職人技がひかる極上レザーです。

イタリアンレザー
イタリアンレザーの特徴はなめし(=動物の皮は腐敗しやすいので、不要なたんぱく質や脂肪を除去し、耐久性・耐熱性・柔軟性をもたせる加工をすること)の方法です。「ベジタブルタンニンなめし」という伝統的ななめし技法であり、そのなかでも主に採用されているのが「バケッタ製法」。

バケッタ製法ではタンニンでなめしたあとに多大な時間をかけて本革の芯まで油を染み込ませます。そうしてできたしっとりとした手触りと美しい艶が、人々を魅了しています。

有名高級ブランドの革のバッグや革財布、キーケースなど革小物の生産国をみると、ほとんどがイタリア産。なかでもイタリアのトスカーナ州は、昔から本革産業が盛んでした。フランスやアメリカなど世界中の高級ブランドの本革製アイテムを、下請けで製造している工房や工場が沢山あり、長い歴史と伝統が受け継がれています。

JOGGOの本革製品の特徴

JOGGOの本革製品の特徴、おすすめポイントをご紹介します。

  • 14色から自分で選べる、鮮やかなオリジナルカラー
  • なめらかな手触りの国産、姫路レザー
  • コンビなめしによる加工製法
  • サスティナブルなものづくり

14色から自分で選べる、鮮やかなオリジナルカラー

14色から選べるオリジナルレザー

JOGGOでは、革ごとにベーシックラインとハイエンドラインに分類しています。

ベーシックラインの製品ではステアハイドを使用し、この牛革に合わせてJOGGOだけのオリジナルカラーをタンナーと共に14色つくりあげました。カラーは顔料染め(レザーの表面に色を塗ること)のため、本革の耐久性が上がり、エイジングしにくいのが特徴。レザーウォレットなどは定期的にメンテナンスすれば、5~10年は鮮やかでおしゃれなカラーを色あせずに楽しめます。

日本国産レザーアイテムは、ブラウンかブラックが主流ですが、JOGGOのベーシックラインでは豊富なカラーからすべてのアイテムの配色を自分でカスタマイズして、オーダーメイドできるのです。

使い勝手のよい長財布などはとくに人気。人と被らない、あなただけのお気に入りアイテムを作れるのはもちろん、大切な家族や恋人、友人をイメージしたプレゼントにもぴったりです。

なめらかな手触りの国産、姫路レザー

ENISHIラウンド長財布

JOGGOのハイエンドライン、ENISHIシリーズの革小物には、日本産の牛革、オイルスムースを使用しています。

オイルスムースとは、本革づくり1000年以上の歴史がある姫路で生まれたレザー。本革にオイルを染み込ませる技法によって、しっとりとしたなめらかな手触りに仕上げています。

また、ベーシックラインとは異なる染料染め(繊維に染料をしみ込ませ色を付ける)の使用により、発色がよく透明感があるのも特徴のひとつ。上品な艶・色味・質感を叶えてくれます。

ENISHIシリーズでは、日常的に使うレザーウォレットやスマホケース、名刺入れなどを展開。オイルスムースの上質な質感を堪能できます。メンズ・レディース問わず、ハンドメイドの革製品をギフトに活用するのもおすすめです。


このような国産本革を、日本の職人が一つひとつ丁寧に制作しています。すべて国産でありながらも、JOGGOではたゆまぬ企業努力でお求めになりやすい価格を維持しています。

コンビなめしによる加工製法

ENISHIシリーズの革小物には、タンニン(植物性)とクロム(化学薬品)を組み合わせたコンビなめしによる加工法を使用しています。タンニンが紫外線や空気にふれ、酸化することで色が変化します。また手の油分が浸透していくと、自然な艶も生まれるのが特徴です。

このように、コンビなめしでは発色のよさと経年変化の両方をあわせ持つ魅力があります。デリケートなので定期的なメンテナンスが必要ですが、高級感のある自然なムラやナチュラルな牛革の表情をお楽しみいただける、本革好きも満足な仕上がりです。

サスティナブルなものづくり

JOGGOの工場があるバングラデシュでは、年に一度イードと呼ばれる、神に牛をささげるイスラム教の祝祭があり、一年で一番大事な行事とされています。

イードの時は町中いたるところで牛を解体し、食用に供します。、食後には毎年大量の牛革が発生。JOGGOの製品は、すべてその食用の肉を採ったあとの本革のみを使用します。

現地の資源を無駄なく有効活用し、エシカルかつサスティナブルなものづくりを実現しているのです。

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あなたとつながる つながるコラム 用語集

本革とは? 合皮(合成皮革)との5つの違い【JOGGOのレザー知識】

あなたは正しく本革・天然皮革・合皮の違いを答えられますか?

ショップで革財布やキーケースなど革小物を手にとった時、商品タグにある「本革」や「合皮」などの表記に疑問を感じたことはありませんか?

なんとなく雰囲気では分かっていても説明までは自信がない…。そんなあなたに、「今日から革通になれる」情報をご紹介いたします。

まずは、本革と合皮の見分け方から、それぞれの特徴をつかんでいきましょう。

本革とは

革製品といってもさまざまな種類があります。

牛・馬・山羊・羊・鹿・ダチョウといなど、動物の革全般を本革(天然皮革)といいます。 「天然皮革」とは読んで字のとおり、動物の皮を使用した素材です。

人間の皮膚も人それぞれ個性があるように、動物の皮にも毛穴や血筋、バラ傷に虫刺されの跡などが見られるため、その個体差が天然の証とされます。

また、動物の種類や年齢によって本革の質感や呼び方が変わります。 

【本革の特徴】

素材天然の革・通気性がよい
重さ重い
耐久性丈夫・経年変化を楽しめる
寿命10年程度(お手入れ次第では10年以上)
価格高価

合皮との違いを比べると、重厚感あふれる風格を醸し出しているのが本革です。なめし加工の際に使われる薬品など特有の匂いがあるので、手にした時に違いを感じられます。

合皮とは

天然の布地に合成樹脂を塗布し、表面を天然皮革に似せたものを合皮(合成皮革)といいます。 フェイクレザーと呼ばれる場合もありますが、意味は一緒です。

合成樹脂によく使われているのが、ポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂で、ビニールやプラスチック素材に類似し、水をはじくため汚れに強いのが特長です。

革の質感を人工的に作っているので、本革との品質にあまり差は出ません。

ビジュアル的には革の素材感が出ていますが、手触りなどの感触は再現できないため、物足りなく感じる場合もあります。

【合皮の特徴】

素材繊維質・汚れにくい
重さ軽い
耐久性低い・経年劣化で加水分解する場合がある
寿命3年程度
価格安価

合皮によく使われるポリウレタンは、空気中の水分と結合して徐々に劣化していきます。これを「加水分解」といい、未使用であっても少しずつ劣化は進んでいきます。 そのため、合皮の寿命は製造から3年程度といわれています。 

表面が徐々にベトベトになり、進行すると表面のひび割れが進んでボロボロになってしまいます。お手入れ次第では、耐久年数よりも永く使える場合もありますので、専用のレザークリームなどで保護することをおすすめします。

「皮」と「革」の違い

「皮」と「革」は同じ読み方の「かわ」ですが、その違いは何か、詳しくご紹介していきます。

「皮」とは

動物の皮膚を包んでいる外側の膜を表しますが、そのまま放置しているとすぐに腐ってしまいます。 

英語では、skin(外皮)もしくはhide(獣動物から皮をはいだ、そのままの状態(なめす前)の単語が使われます。

「革(本革)」とは

動物の「皮」を腐らせないようにしたり、柔らかさを保持したりするため、皮膚であった「皮」に「なめし加工」を施したものが、「革(本革)」となります。 

「鞣し(なめし)」を通じて革になる

「なめす」とは、「革」を柔らかくすると書いて「鞣し(なめし)」 と読みます。なかなか普段目にしない漢字ですが、「皮」から「革」になっていく工程を指します。

【 革をなめす工程 】

  1. 動物の生皮から毛皮を取り除く
  2. 不要な脂肪やたんぱく質を分解させる
  3. 皮の腐敗を防ぐための薬品処理を施す
  4. 皮の厚みを均一にする
  5. 着色を施す

この「なめし加工」を経て「皮」から「革(本革)」へと変化します。ちなみに「皮」から毛を抜かずになめし加工をした場合は、「毛皮」となります。

 【 なめし加工の種類 】

「なめし加工」の代表的な加工方法をご紹介していきます。

タンニンなめし

植物由来のタンニン(渋)に漬け込んでいく、古くからある伝統的な工法です。時間も手間もかかるデメリットもありますが、使えば使うほど経年変化を楽しめるのは、タンニンなめしならではの特長ともいえます。

タンニンなめしには「ピットなめし」と「ドラムなめし」の2種類の工法があります。

「ピットなめし」とは、濃度や成分の異なるなめし剤が入った複数の水桶に、順に皮を漬け込んでいく工法をいい、皮の深層部までタンニンを染み込ませる時間や、複数の水桶を用意するスペースも必要なので手間がかかります。

「ドラムなめし」とは、ドラムになめし剤を投入しタンニンをたたき込んでいく工法を指し、ピットなめしと比較すると時間を大幅に短縮でき、スペースもとりません。

【 特徴 】

  • なめし剤:天然植物から抽出されるタンニンエキス
  • なめし方法:ピットなめし/ドラムなめし
  • 革質:ハリ・コシがある
  • 革への着色:地革の色に影響を受ける
  • なめし期間:数か月
  • 経年変化:使うほどに深みが増す
  • 耐久性:硬くて丈夫だが表面のキズは付きやすい
  • 影響:天然植物成分のため人体や環境にも優しい

クロムなめし

塩基性硫酸クロム塩などの化学薬品をなめし剤として使用する方法を、「クロムなめし」といいます。

この方法は、巨大なドラム型洗濯機に皮を入れ、回しながらなめし剤を徐々に浸透させていくもので、現代のなめしのなかで最も多く使用されている手法です。

クロムなめしは軽くしなやかで、伸縮性が高い状態に仕上げられる特徴を持ちます。この加工により本革自体が丈夫になり、経年劣化しにくくなるメリットを持つ一方で、アレルギー反応が出るおそれがあるのがデメリット。

色落ちやシミにも強い性質から、衣料品やバッグ、スマホケースや名刺入れ、定期入れといった革小物などの加工品に多く使われています。

【特徴】

  • なめし剤:塩基性硫酸クロム
  • なめし方法:ドラムなめし
  • 革質:軽い・しなやか・伸縮性がある
  • 革への着色:地革に影響を受けず発色がよい
  • なめし期間:なめし剤を浸透させる時間は1日で完了 
  • 経年変化:経年変化をあまり感じられない
  • 耐久性:キズに強く水への耐性もある
  • 影響:クロムが金属の一種のためアレルギー反応を起こす可能性がある

混合なめし

「混合なめし」は「コンビネーションなめし」と呼ばれることもあり、2種類以上のなめし剤を使ってなめします。双方の特徴を持ち合わせた工法で、使用するなめし剤の比率の違いによっては仕上がり具合が変わってきます。

代表的なタンニンなめしとクロムなめしを組み合わせた工法の混合なめしでは、タンニンなめしの良さであるエイジングを楽しめ、なおかつクロムなめしの良さである高度な強度と柔軟性を兼ね備えているといわれています。

クロムなめしの後にタンニンなめしを施す(コンビネーションなめし)、逆にタンニンなめしの後でクロムなめしを施す(逆コンビネーションなめし)など、単独のなめし剤では得られない特性が得られるのが混合なめし(コンビネーションなめし)のメリットともいえます。

【特徴】

  • なめし剤:天然植物から抽出されるタンニンエキスと塩基性硫酸クロム 
  • なめし方法:ドラムなめし 
  • 革質: 革自体が薄く柔らかい
  • 革への着色:染料に染まりやすい
  • なめし期間:タンニンなめしよりも短時間 
  • 経年変化:タンニンなめしだけの時よりも経年変化を感じにくい 
  • 耐久性:クロムなめしだけの時よりも耐熱性は劣る 
  • 影響:クロムなめし程ではないがアレルギー反応を起こす可能性がある

本革の特徴

文頭でもご紹介したように、本革とは革本来の表情や質感を楽しめる素材です。

動物の皮を加工しているため、天然の証とされる毛穴や血筋などの表情も見られ、レザーウォレットなどは使い込むほど手に馴染む、本革特有の風合いへと変化する経年変化(エイジング)が楽しめます。

吸湿性に優れている分水に弱い点があり、雨などに濡れてしまうとシミの原因になりますが、お手入れ次第では、10年以上経年変化を楽しめるので、通気性のよい場所に保管するなど、定期的なメンテナンスをおすすめします。

よい革の見極め方

よい革の見極め方については、人それぞれ。高級ブランドで取り扱われているメンズやレディースの革財布といった高価な製品から、合皮と区別が付かない安価な製品まで、自身の価値観にピンとくるものに出会えるかなど、個々の好みによって変わってくるのではないでしょうか。

前述した革ごとの性質を理解し、硬さ・厚み・大きさ・加工法・デザインや発色など、製品となって手にとった時の感触がしっくりくるか?ご自身のハートに聞いてみてください。

オーダーメイドやハンドメイドの革製品を検討してみるのも、おすすめ。プレゼントやギフトに選んでも、きっと喜ばれますよ。

革を選ぶ目安として

「革のお手入れが好きで、経年変化を楽しんでいきたい」という方にはオイルレザーやヌメ革がおすすめですし、「お手入れはちょっと面倒だけど革製品を持ちたい」という方には、クロムなめしや混合なめし(コンビネーションなめし)が施された本革がおすすめです。

JOGGOの本革製品

一点ものにふさわしい高品質の牛本革

「想いをこめた一点ものだから、その素材には妥協したくない。」そんな想いから、JOGGOの本革は、タンナーとともに一からつくりあげた、オリジナルレザーです。

素材は、バングラデシュの「イード」と呼ばれる祝祭で、食用後に余った革のみを使用しています。品質はもちろんのこと、継続したものづくりも大切にしています。 

※バングラデシュでは年に一度「イード」という、神に牛をささげるイスラム教の祝祭があり、食用後には毎年大量の牛皮が発生します。JOGGOの革製品はすべて、そのイードで食用の肉を採ったあとの革のみを使用しています。

JOGGOオリジナルレザー

JOGGOのオリジナルレザー
JOGGOのオリジナルレザー

JOGGOの本革は、「タンニンなめし」と「クロムなめし」を組み合わせた「混合なめし(コンビネーションなめし)」工法で生産されています。

環境負荷を考え、98%は植物タンニンを使用し、やわらな風合いを出すためにわずかな量のクロムを使用しています。タンニンなめしほどではありませんが、少しの経年変化が楽しめると同時に、クロムなめしの柔らかさや発色性も持ち合わせるのが特長です。

タンニンとクロムの割合によって仕上がりが異なるため、熟練されたタンナー(製革工場の職人)の腕のみせどころでもあります。 長財布といったレザーウォレットやコインケースなど、末永く使っていただけるよう、扱いやすく耐久性に長けた牛本革を選択しました。

現地のタンナーと何度も色を調整し、きれいに発色する仕上げを採用。日常的に使うなかで革製品の変化を楽しめるよう、手触りや質感すべてにこだわっています。  

手に吸い付くような柔らかさと、天然皮革ならではの本革の表情が楽しめる点が特長。使い続けると、革製品に上品な艶と光沢感が出てきます。